プロが教えるネステナーの選び方|種類・サイズ・価格を徹底比較

プロが教えるネステナーの選び方|種類・サイズ・価格を徹底比較

倉庫のスペース不足に悩んでいませんか?「荷物は増える一方なのに、保管場所がない」「固定ラックを入れるとレイアウト変更ができなくなるのが不安だ」。もしあなたがそんな悩みを抱えているなら、解決策は「ネステナー」の導入にあるかもしれません。

ネステナーは、フォークリフトさえあれば自由にレイアウトを変更でき、使わないときは重ねて収納できる、極めて柔軟な物流機器です。しかし、いざ導入しようとすると「正ネステナーと逆ネステナーの違いは?」「自分の倉庫にはどのサイズが合うのか?」といった疑問にぶつかるはずです。

この記事では、物流機器のプロフェッショナルとして、あなたの倉庫に最適なネステナーを選ぶための判断基準を、種類、サイズ、価格の観点から徹底的に比較・解説します。単なるスペック比較ではなく、現場での運用を想定した「失敗しない選び方」をお伝えします。

参照サイト:ネステナー

ネステナーとは?パレットラックとの決定的な違い

そもそも、なぜ多くの倉庫でネステナーが選ばれているのでしょうか。固定式のパレットラック(重量ラック)との最大の違いは、「動かせる資産」であることに尽きます。

パレットラックは一度設置すると、アンカーボルトで床に固定するため、容易には移動できません。対してネステナーは、床に置くだけで設置が完了します。荷量の増減に合わせてレイアウトを変えたり、繁忙期だけ段数を増やしたりといった運用が可能です。さらに、使わないときは「ネスティング(入れ子)」してコンパクトに収納できるため、無駄なスペースを占領しません。

「倉庫のレイアウトを固定したくない」「将来的な移転や拡張の可能性がある」。そう考える現場にとって、ネステナーは最強のパートナーとなります。

「正ネステナー」と「逆ネステナー」どっちを選ぶ?

ネステナー選びで最初にして最大の分岐点が、**「正(せい)ネステナー」「逆(ぎゃく)ネステナー」**かの選択です。どちらも一長一短ありますが、運用の目的によって正解ははっきりと分かれます。

正ネステナー(正ネス):基本の安定型

正ネステナーは、床面側にパレットを載せる「デッキ(荷受面)」があるタイプです。

最大の特徴は、1段目の荷物が直接床に触れないことです。湿気や埃から商品を遠ざけたい場合や、衛生管理が厳しい食品・医薬品倉庫などで好まれます。また、重心が安定しやすく、移動時の揺れにも比較的強いため、頻繁にレイアウト変更を行う現場にも向いています。

逆ネステナー(逆ネス):空間活用の最大化

逆ネステナーは、その名の通り正ネステナーをひっくり返したような形状をしています。最大の特徴は、1段目のパレットを床に直置きすることです。

ネステナーのフレーム自体が「2段目の棚」の役割を果たします。つまり、同じ天井高であれば、逆ネステナーの方が1段多く積める可能性があります(例:ラック2台で3段積み保管が可能)。

「とにかく収納効率(キャパシティ)を上げたい」という場合は、逆ネステナーが圧倒的に有利です。ただし、最下段は直置きとなるため、床面の汚れや湿気には注意が必要です。

比較表:あなたの現場に向いているのはどっち?

特徴正ネステナー逆ネステナー
1段目の保管ラックのデッキ上床に直置き
天井高の活用通常有利(ラック1台で2段分)
衛生面優れる(床から離れる)床の状態に依存
耐荷重高い高い
おすすめの現場食品・精密機器、移動が多い倉庫天井が高い倉庫、保管効率最優先

失敗しない「サイズ」と「寸法」の確認ポイント

種類が決まったら、次はサイズ選びです。ここでミスをすると、「パレットが入らない」「フォークリフトの爪が届かない」といった致命的なトラブルになりかねません。カタログを見る際は、以下の2点を必ず確認してください。

1. 「内寸」とパレットサイズの関係

カタログには「外寸(外側の大きさ)」と「内寸(内側の有効スペース)」が記載されています。重要なのは**「内寸」**です。

あなたが普段使っているパレットのサイズを確認してください。日本で一般的な「1100mm × 1100mm(イチイチ)」パレットを使用する場合、ネステナーの内寸はそれよりも余裕を持たせたサイズ(例:内寸1350mm前後)である必要があります。ギリギリのサイズだと、フォークリフトでの積み下ろし作業に高い技術が要求され、事故や破損のリスクが高まります。

2. 有効高さ(荷物の高さ)

「有効高」とは、荷物を置く面から上段フレームまでの高さです。

保管したい荷物の高さ+パレットの厚みに対し、**100mm〜150mm程度のクリアランス(余裕)**を確保してください。これがないと、リフトで持ち上げた際に荷物が上のフレームに激突してしまいます。

気になる「価格」相場とコスト削減のコツ

ネステナー導入において、コストは避けて通れない課題です。新品と中古、それぞれの相場感と賢い選び方をご紹介します。

  • 新品ネステナー
    • 相場感: 1台あたり20,000円〜30,000円前後(仕様や鉄の価格変動による)
    • メリット: サイズや色を自由に指定できる。状態が均一で美しい。
    • デメリット: コストが高い。納期がかかる場合がある(受注生産など)。
  • 中古ネステナー
    • 相場感: 1台あたり10,000円〜18,000円前後(新品の半値〜7割程度)
    • メリット: 圧倒的なコストパフォーマンス。在庫があれば即納が可能。
    • デメリット: サイズが規格品に限られる。傷や錆がある場合がある。数が揃わないこともある。

プロのアドバイス:

バックヤードや見た目を気にしない保管エリアであれば、中古品を積極的に活用することで、導入コストを劇的に下げることができます。一方で、顧客の目に触れる場所や、特殊なサイズのパレットを使う場合は、新品のオーダーメイドを検討すべきです。

安全に使うためのチェックリスト

最後に、安全面での注意点です。ネステナーは頑丈ですが、使い方を誤れば重大な事故につながります。導入前に以下の基準をクリアしているか確認してください。

  • 耐荷重の厳守: 一般的なネステナーの耐荷重は1台あたり1000kg(1トン)です。これを超える重量物を載せないでください。
  • 段積み制限: 通常は3段〜4段までの積み重ねが推奨されています。天井が高いからといって、メーカー推奨の段数を超えて積むのは倒壊の危険があります。
  • 段積み防止金具: 地震対策として、積み重ねたラック同士を連結する金具や、オプションのバーの使用を推奨します。

ネステナーは、あなたの倉庫のポテンシャルを最大限に引き出すための強力な武器です。「正か逆か」「サイズは適切か」「新品か中古か」。これらの視点を持って選定すれば、無駄な投資を避け、効率的で安全な保管環境を手に入れることができるでしょう。